Japanese - Eusebius
エウセビオス 紀元260‐340年
エウセビオスはディオクレティアヌス帝による大迫害を生き延び、コンスタンティヌス帝治世下、カエサレアの司教を務めました。彼はニケア公会議に出席した司教の一人であり、『教会史』の著者として最もよく知られています。
『教会史』を執筆するにあたり、エウセビオスの最たる懸念は、事実を――それが消失してしまう前に、そして次の迫害期に目撃者たちが殺され、図書館が焼き打ちされる前に――記録しておくことにありました。彼は当時現存していた最も重要な史料を忠実に複写しました。それにより、後世の人々が、キリスト教の初期300年間に実際に起こった一連の出来事(史実)に触れることが可能となったのです。
エウセビオスの『教会史』は、初代キリスト教の古典の一つであり、ヨセフスの歴史作品に匹敵するものとして評価されています。
*ちなみにエウセビオスの『教会史』は日本語でも読むことができます。
『エウセビオス 「教会史」』 秦剛平訳、講談社学術文庫(上下巻、2010年)