Japanese - Oxford Movement
オックスフォード運動
原始キリスト教回復運動のことをお話しするのに、1800年代初頭のオックスフォード運動のことを語らずしては、話はまさしく尻切れトンボに終わってしまうでしょう。――もっとも、これは実際、回復運動(restitutionist movement)というよりは、改革運動(reforming movement)でした。
この運動は、オックスフォード大学の聖職者や教授による一キャンペーンをもって幕を開けました。そして彼らは当時の信者たちに、古来の教会の信仰ないし慣習に立ち帰るよう、呼び掛けました。彼らの働きを通し、この運動の指導者たちは、初代教会に対するかなりの関心を人々のうちに引き起こしたのです。
実際、彼らは、トラクト小冊子の形で、数多くの初代キリスト教徒の書き物を出版しました。そして、それは一般の信者も入手できるように、一冊子二ペンスという安価で発売されました。こうして史上はじめて、英国の一般人が、自分達の入手できる価格で、英語で書かれたポリュカルポスの殉教の証を、自ら読むことができるようになったのです。
この運動の中心的指導者の一人であったエドワード・ピュージーは、個人的に初代キリスト著作の翻訳に乗り出し、それは50巻に及びました。ちなみに、これは教父シリーズ(Library of the Fathers)と呼ばれています。実際、初代キリスト教著述家の手ごろな翻訳版が、現在、英語で入手可能なのも、オックスフォード運動の影響によるところ大なのです。こういったオックスフォード人達が土台を敷いてくれたおかげで、今日、一般信者は、初期キリスト教の真の姿を、誰に頼らずとも自分で見出すことができるのです。